昨日はきっと、1日通して少しおかしかったんだと思う。
一日中、気持ちが塞いでいた。理由は明確で、チームの仕事がうまく回っていないから。社内政治、部署間の役割分担、上長の立ち回り、統括マネジャーとマネジャーで食い違う指示、自分自身のせっかちな所、曖昧な内容と決まらない期日にイライラして無理やり纏めにかかろうとしてしまった子供じみた自身の振る舞い、全てが嫌だった。
社食で食べたメンチカツとアジフライが、夕方になってもまだ胸につかえている。せっかく仲良しの先輩が出社している日だったのに、一緒に帰るのさえ億劫で誰にも構われたくなくて、わざと定時ぴったりに退勤した。さすがに定時ぴったりに上がれない先輩は、さっさと帰る私に呆気に取られていた。
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会社を出て駅まで向かううちに、また蒸し暑い湿気に纏わりつかれて、冷たいものでスッキリしたくなった。駅併設のスタバでバナナブリュレフラペチーノを頼んで、飲みながら帰路に着く。甘く熟したバナナが喉を滑り落ちて、少しクールダウンする。「こんなに暑いと頼みたくなりますよね〜」とのバリスタのお兄さんの笑顔を思い浮かべながら、この甘い余韻に浸る。
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何駅経ったか、フラペチーノも飲み終えた頃、にわかに気分が悪くなってきた。熱が頭にこもって、ふと目の前が霞むような。生唾を飲み込むのが難しい。座りたいけど席は空いていない。
最悪の事態になる前に、念の為に下車すべきか…何駅かやり過ごしながら考えたものの、結局しんどさが勝って途中下車する。
どっと人が降りた後のホームのベンチで、流れすぎる電車を見送ると、ほぅっと深いため息が漏れた。胸がどきどきしている。
まだ最寄りまでは6駅もある。普段気にならない距離が、今は途方もないものに思える。
「駅 気分が悪い時 休ませてもらえるか」と調べてみるものの、「駅の規模によって救護室がない場合もある」とか、「券売機の売上締め作業の時間は駅員事務室に一般部外者を入れるのは固く禁止されている」とか、どこどこ駅の駅員に非常に冷たい対応をされた、休ませてほしいと申告するも、駅員にキョトンとされた等の書き込みが山ほど見つかり、頼る術はないのだと虚しい気持ちになる。
そのあとも結局乗車と下車を繰り返したが、なんとか何事もなく帰宅することができた。
かろうじて化粧は落として、そのまま気を失うように眠りに落ちた。
いったいあの突然の具合の悪さは何だったのか？
こんなことが度々続くと困るし、トラウマで電車に乗れなくなったりしたら日常生活にも支障をきたす。
ここ一年で、私は案外、自分が思うほど丈夫でないことを知った。きっちり流行り病のコロナにもなるし、採血すればくたばってしまう。虫歯にもなれば悪心にも苦しむ。
健康優良児の病気知らずと思っていたけれど、やはり無理をすればそれ相応の反応も出るのだ。歳もとるわけだしそりゃそうだよなぁ。もっと労わらないとなぁ。
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ぐっすり眠って、今朝にはすこぶる調子が良くなっていた。
最近購入したブレンダータンブラーでマイブームのバナナジュースを作る。バナナ一本、プレーンヨーグルトひとすくい、豆乳100cc、はちみつひと回し、ラムダーク少々。廉価で作れて健康で美味しくてお腹も膨れるから、最近のお気に入りだ。
ふと思う。バナナそのものを丸ごと一本入れているのに、昨日のスタバのバナナブリュレフラペチーノよりも断然甘くない。いや、こっちが甘くないのではなく、スタバが異様に甘いのだ。あの、「これぞバナナ！」って感じの味わいはなんだったのだろう。バナナそのものを食べてもそこまで強いバナナ感は迫って来ないのに。
とはいえ、昨日はあの甘さと冷たさに救われたのだ。深く考えるのはやめることにする。
朝から家でじっと読書。柚木麻子の「butter」を1日で半分以上読む。引き込まれて抜け出せない。出てくる料理が魅力的で、異様な光で惹きつけて、食べてみたくなる。こんなに蒸し暑い季節だと言うのに、濃厚な高級バターを買いに走りたくなる。
読書で半日潰してしまったので、散歩がてら生鮮の買い物へ。近所のイトーヨーカドーに野菜摂取量を測定するブースがあり、試してみる。指の脈から測定しているようで、どれほど精緻なデータかわからないけれど、C判定の「野菜摂取は普通くらい」という判定が出て、少し報われた気持ちになる。D判定以降は野菜不足を咎められる内容のようで、それを避けられただけでも及第点。どうしたって外食や暴飲暴食はしてしまうが、平日の夜ご飯だけは、できる限り体に優しいものをと心を込めて作っている（つもり）。その事実が少しだけでも認められた気がして、少しほっとした。
あっという間に夕方だ。さて、今日も体に優しいご飯を作るとするか！
