本日も出社。昨日より暑くないのに疲れ果てているのはなぜなのか。
治ったはずの風邪もどきがぶり返し、空咳が続く。胃の奥が重く食欲が奪われる不快感は、残念なことに最近頻発するせいでだいぶ慣れてきてしまった。職場での体調不良者も目立つし、心なしか電車で咳をしている人も目につく気がして、意味もなく息を止めたりしている。ただただ苦しくなるだけだ。
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今日も今日とて南極の寒さの執務室で業務に就く。仕事の整理をしながら、やはりこのところずっと落ち着かない仕事の立場が、こうして心を不安定にしているのだとの結論に落ち着く。
今やっている業務は、本来あちらの部署がやるべきなのか、それともこちらの部署がやるべきなのか。どちらの長が裁量権を持つべきなのか。その棲み分けがつかないままであるというのに、今度はこちらの部署の大事なメンバーが、来月から別プロジェクトに引き抜かれるので工数減になるとの話も小耳に挟む。来月からって、もう来週から来月じゃない!なのに噂に聞くばかりで、正式に上長からの説明はない。
どちらも決着がつかずふわふわしている中で、行為計画も立てられないし、新たな取り組みをしようというマインドにもならない。地に足がつかないまま8時間を過ごす。
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ある打ち合わせで、弊社メンバーが取引先に喰ってかかる物言いをしており、きゅっと息が詰まる。確かに先方に対してはっきり物申すべき場面なので、場違いに喚き散らしているわけではないけれど、相手が言葉を発するや否や割って入り、でも、でも、と言葉を重ねるのが果たして正しかったのか?しかし弊社メンバーが鋭く突かなければ、今度は取引先側の甘い言葉に言いくるめられ、強かにやり込まれていたはずなのだ。戦うべき場面ではあった。問題は、戦法が正しかったのか、という点だった。とはいえ、取引先もまったく間に受けることなく、蛙の面に水の様子を見ると、あれでも良かったのかもな、というかもっと根本の大きな問題なのかもな、などと考える。重い空気が1時間続き、余計に胃腸が苦しくなる。私なんか黙って会議を聞いているだけで、矢面に立つメンバーよりもずっと気楽なくせに、自分が戦ってきたかのような傷つきようで情けない。
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来週から産休に入る先輩と出社が被り喜び合うも、打ち合わせの都合で一緒にお昼に行けず虚無感に襲われる。産休前の最後の会うタイミングだったので、別れを惜しむ。彼女は大きなお腹を抱えながら非常に満足感に溢れた表情だった。一方の私はどうだ。やつれて疲れ切ったおばさんみたいで悲しくなる。彼女と次に会うのは一年後かと思うと寂しいけれど、喜ばしいことなのだから、頑張って元気な子を産んで欲しいと願うばかり。
今日は彼女の他に、仲のいい先輩もいたし、昨日書いた歳の離れた仲良しのおじさんも出社していたというのに、残業必至の皆のチームと違って私のチームは定時で上がれるので、タイミングが合わず一緒に帰ることも叶わない。
思い返せば、今年の1、2月は私も毎晩夜中近くに帰宅していたのに、こんなに落差があるものか。といいつつ、この落差の原因は明確にわかっているし、仕方のないことなのだが、やっぱり空虚で辛い気持ちにもなる。今は特に仕事にやり甲斐が感じられない時期なのだから、趣味や自己研鑽に励めばいいのだけれど、そううまくも切り替えられない。定時後を楽しむ気持ちが身に着いてきたと言ったものの、あれはやっぱり虚勢を張っていただけで、言葉で書くほどに簡単ではない。
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昨日から一変、情緒不安定にもほどがある。あまりに気持ちが落ち込むので、どうしたらいいかわからず、ドレスのサイトをゆるゆる眺める。これだって、まだプロポーズもされていないのに1人で舞い上がって、馬鹿みたいだってわかってる。まだ当面プロポーズされないなんてことになれば、あとで泣きをみるのは目に見えているのに。今の気持ちをなんとか盛り上げるために自分で自分の首を絞めるなんて、愚かで惨めだ。
だからかもしれない。美しいドレスを見ても、リカちゃん人形の着せ替えを見ているようで、どうにも自分が着ている姿をうまく重ね合わせられない。
ダメな時に何をしたってダメなのだから、食べて汗をかいて寝るしかない。
そんなことより、帰る家があって、帰れば落ち着ける空間と相手がいることに感謝をしなくては、きっとバチが当たる。
今日はお湯をためてお風呂に入ろう。
早く寝たい。