健康体そのものの私は、これまで体に異物といえば、唯一、コンタクトレンズのみでした。しかも異物といえども取り外せる。
遺伝と本の読み過ぎで幼少期から相当眼が悪かった私、メガネだと年々レンズが分厚くなってあまりに不格好なので、高校生からはコンタクトに変えて、以降ずっとともに過ごしてきました。
眼は悪くても歯は丈夫。それだけが自慢だったのに。
引っ越して以来、相方に「定期検診に行け」と口を酸っぱく言われ、ようやく重い腰を上げて行った歯科。クリーニングぐらいしておいてもいいか〜と軽い気持ちだったのに、診てもらうと、なんと「あー、奥歯が虫歯になってるね」と。
何だって⁈小学生の時にたった一度、虫歯になったきり、20年以上健康な歯だった私が、なぜ…
しかも小学生のその時は少し削っておしまいだったのに、今回は「銀歯入れますね」と。
30年守り続けていたオール自歯が崩れると思うと悲しく、ショックのあまり、しばらく言葉を失ってしまいました。
「審美的なことを考えるなら、セラミックとかもありますよ、金歯もあります」などと軽く言う先生に、そういう話じゃないんだよ〜、こっちは!など泣きたい気持ちを抑えつつ、「銀歯で結構です‼︎」と伝え、そこからまさかの3週歯医者通い。
麻酔を打って悪いところを削り、歯形をとり、代わりの詰め物を入れ、銀歯を作り、詰め物を取って接着剤で銀歯を装着する。どれも経験したことなくてちょっと怖くて、だいぶ悲しい。でも自業自得。
甘いものもよく食べるし、磨き残しがあったわけだし、慢心だったわけで。本当、大きく反省しました。
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ようやく入った銀歯は、思ったよりも小さくて、大きな奥歯の臼歯のほんの一部にL字に差し込まれたような形。
家に帰って大きく口を開けながら銀歯を見せる私に、相方が「よっぽど大口開けて笑わない限り見えないよ、良かったね」とせめてもの慰めの言葉をかけてくれました。
それにしても、自分の体はきちんとメンテナンスして労わらないとですね。
もう自分も若くはないと思い知らされた一件でした。