突然ですが、皆さん、読書されますか?
もしかするとハウツー物や自己啓発本を読まれる方がほとんどかもしれませんが、私は小説を読むのがとにかく好きです。(ちなみに電子は性に合わず、紙派です)
それこそ貪るように読む、という表現がふさわしいかもしれません。
割と雑食で色々な方の本を読みますが、ここ最近は、ちょっと大きな声では言えないような特殊なジャンルにハマって貪り読みました。
特殊なジャンル、いわゆる「性愛、奔放な性、不倫」と言ったところでしょうか…
きっかけは本当に単純でアホみたいな話なんです。同棲開始から3ヶ月。別に約束しているわけでもないですが、今までは暗黙の了解で、7日以内には必ずソウイウ事をしていたのに、ある時初めて7日経っても触れられなかった。
こちとら居ても立ってもいられなくて、でもこちらから言い出すのも恥ずかしくて、行き場のない気持ちと、寂しさと、このままレスになることへの懸念が一気に押し寄せて、気づけばそういう本に救いを求めていた、、とまぁこんな感じです。
一度読んでみると、手に取るように気持ちがわかって、感情移入できて仕方ない。で、クセになって途中から、片っ端からこのジャンルの本を読み漁りました。
(ちなみに現実世界の方のソウイウ事は、8日目に何事もなかったかのように再開したので杞憂に終わりました。前回から何日経ったとか気にしてるのは女性側だけだったりして)
さて、読んだ本の紹介もしておきましょう。
◾️奥様はクレイジーフルーツ
柚木麻子
グラマラスボディーの主人公が、穏やかに暮らしながらも旦那とのソウイウことがご無沙汰になり、持て余す欲求不満との格闘を、各章ごとにフルーツになぞらえながら瑞々しく描いてあります。本のキャッチコピーはしたい妻としたくない夫。キャッチーなようでいて、その実結構悲しいフレーズです。
同級生の男友達と語り合ったり、義弟に良からぬ想像をしたり、旦那を置いて家を飛び出して一人旅に出たり、体を鍛えたり、、
蜜柑のしぶきに、湯当たりメロン、章のタイトルだけで疼きますね…笑
◾️ダブル・ファンタジー
この本は、このジャンルにおいて金字塔を打ち立てたんではないかと思うほど、本当によくできた作品だと思います(どの立場で言ってるねん、という指摘はさておき)
仕事デキ脚本家の遠高ナツメが、ビジネスパートナー兼旦那との生活を捨て、ありとあらゆる男性との性に堕ちていく姿をまざまざと、本当にいきいきと描いています。
性に奔放といえば、陽キャで地位も金も顔も揃ったカースト上位の人が、取っ替え引っ替え楽しむような、普通とは違う、と一線引きたくなるイメージを持っていた私ですが、この主人公は、例えば自分の母や私自身に置き換えてもいいくらい、とても真っ当で控えめで常識的で、総合的に「普通」な女性なんです。なのに、どこからか、なぜだか気づくと新たな男性に魅了されている。
上下巻あるのに、最後まで途切れることのない没入感で、時に激しく激情的な男に、また時に優しく寄り添う男に、翻弄されつつ女を匂わせる…もう頭がクラクラします。
あと、男性のこういうところ、こういう瞬間で一気に醒めるんよね、という感情の描写がホンマに上手い。全女性が首もげるほど頷けると思います。本当に一度皆さん読んでみてほしいです。
あぁ、語りすぎた、、
◾️ミルク・アンド・ハニー
ダブル・ファンタジーの続編です。
遠高ナツメのその後です。結局ビジネスパートナー兼旦那とは離婚しますが、その後に(個人的には)超意外な展開になります。が、そこからの人間模様や相手の男性への気持ちの揺らぎ、機微、空気感みたいな部分の掬い取るセンスがやはり抜群です。そして、これまたビックリな男性も現れます。
ダブルファンタジー上巻を読んで、下巻を読んで、さらにミルク・アンド・ハニーを読んでもなお、ダレることなく没入し続けることができる世界観の構築、本当にすごくないか?と思います。
◾️アダルトエデュケーション
ダメ押しの村山由佳3冊目。もういいやろ?って言われそうですが。
今度は短編です。どの章も独特な世界観です。仕事をサボって姉の旦那と寝るとか、仕事のできないイマドキ女子後輩に彼氏を取られるとか、弟に恋する姉が、弟の彼女と体を重ねるとか。
先の2冊と違って非日常ではあるものの、自然と共感できるすごさ。アブノーマルの世界をのぞき見。
とにかくあっさりすーっと読める。
19歳少年が39歳既婚の美術専門学校の講師の淡い恋。タイトルのパンチからは考えられない爽やかさに清々しい気持ちになれます。
◾️sex
こちらも短編集。
日常に近づいたアダルトエデュケーションみたいな感じです。
死期が近づいた男性の性の夢とか、カップルが青姦したりとか、これも結構アブノーマルな内容が多いかも。でも読んでてしっくりくる不思議。
◾️よるのふくらみ
これも面白かったなぁ。とても爽やかです。
幼馴染のみひろと、圭祐、裕太兄弟。兄弟はどちらもみひろを好きだったけど、結婚したのは兄の圭祐。
兄の勝手さを疎む弟。弟の明るさを羨みながらも、誰にも言えない秘密を抱える兄。圭祐とのセックスレスに悩み、不妊に悩み、でも妊娠するとどうにもならない不安がよぎり、流産してある種安堵し、圭祐とみひろの違和感を弟裕太に悟られ、色々な気持ちが交錯する様子は、それでもすごく清々しい。
というわけで、たった1ヶ月ほどの間にこれだけ読みました。全作品図書館で借りて読んだので、司書の方に貸し出しカードの履歴なんか見られてたら、きっと私は変態呼ばわりされてるかも、、もう穴があったら入りたい…
でも、有名な作家の皆さんがこうした作品を書くのだから、案外みんな心の奥底で関心を持っているジャンルということですよね。
皆さんもぜひ興味があれば読んでみてください。
秋の夜長にピッタリかも…?