先日、久々に美容室に行きました。
池袋の1番賑わう界隈にあって、毎年なんちゃらアワードみたいなのを獲得しているお店。
予約して行ったにも関わらず大繁盛で、切るまでに待たされ、切り途中にも担当のお兄さんが他のお客さんのヘルプに駆り出され、何度も待ち&中断。
ムッとしかけたけど、まぁ仕方ないな、なんて思いつつ、スマホも見れないので(シャンプー台で横たわってる状態で待たされたりもしたのでね)ぼんやり考えを巡らせていました。
予約したのにこんなに待たせるなんて、本当ひどいわぁ、、もう次から別のお店にしようかな。
どうせなら、お洒落なところでカットして欲しいな。
お洒落なところ、そうだなぁ…表参道とか?
…表参道、、待てよ、私、一度だけ表参道でカットしてもらったことがあったな、、?
そうだ、あれは…
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私が上京してきたのは4年前。コロナが流行する直前の時期でした。
部署が変わって、住む土地も変わって、知っている人もいなくて、良くも悪くも1人。自分のことを誰も知らないと思ったらめちゃくちゃ気が楽で、でも遊びに行くにも右も左もわからなくて、ちょっぴり寂しくて、そして人肌寂しくて、それで思わず街コンに繰り出していました。
コロナが流行る前だったので、マッチングアプリの台頭より、直接会える街コンがまだ盛んだったのです。
街コンでも色々と面白い経験をしたのですが、それはまた今度にするとして。
ある男性とご縁があって、街コン後3度デートにも行きました。
その彼は特別美男というわけではなかったけど、スッと背が高くて、自分に似合う服を着こなして、見つけてくれるお店もいつも素敵で、温厚で優しくて話が合って、LINEも楽しくて、お酒も強くて、女の子にお財布は出させない。
1回目はカフェでお茶して、サンシャイン水族館と展望台。
2回目はスカイツリーに登って、上野の居酒屋へ。
で、3回目。
確かそれまでの流れで、私が上京したてで芋臭いからもっと垢抜けたいんだ、というような話をしたのだと思います。
そうしたら彼が、垢抜けるために俺がプロデュースするよ、って言ってくれたんです。
で、表参道の駅で待ち合わせをして、私は私でとあるお洒落な美容室へ、そして彼は彼で別の美容室へ行ったんです。
私が行った美容室は、コンクリート打ちっぱなしみたいな空間だけど白を基調としていてとってもおしゃれ。3席ぐらいしかなくて、一面ガラス窓で陽の光がさんさんと降り注いで、金のフレームの大きな鏡が置いてあって。そこでオリーブ色にカラーリングしてもらった私。
お互いカットを終えたら表参道ヒルズで待ち合わせ。私を一目見て、すごく可愛くなってねって言ってくれて。彼も切り立ての髪がかっこよくて、ものすごくときめいた。
その後に眉カット専門店に行って、極め付けに渋谷のスクランブルスクエアでデパコスのリップを買うのも付き合ってもらったっけ。
もちろん、美容室も眉カットのお店も、彼が見つけてくれたんです。(お金は私が自分で出してるけどね)
そのあと野菜串の美味しいお洒落なお店で飲んで食べて、なんてお洒落でスマートなデートなんだろうって、SNSに出てくるような夢のようなデートだったって、ふわふわ浮き立つような高揚感でいっぱいだった。東京の人はこんなにデートもスマートなんだと思って、よけいに憧れを拗らせた。(後から気づいたことですが、当然ながら、その彼が特別スマートで慣れていたのであって、東京の人がみんなそうだという訳ではないですね)
が、そのあとは案外あっけなくて、彼から突然LINEをブロックされ、コロナの状況も相まって会う機会もなくそれっきりなんですけどね。
当時はめちゃくちゃ引き摺ったけど、かえって感謝すべきかもしれないと今なら思う。私はそんなキラキラしたスマートなデートには向いてないし、事実、彼とのデートは3度とも家に帰り着くと、突然現実に戻った感じがしてどっと疲れていたので、根本的に私の性に合っていなかったということですよね。
それにしても、男女がそれぞれ表参道の美容室でカットしてもらって、表参道ヒルズで待ち合わせとかお洒落の極みすぎませんか?いやいやそんなの普通でしょ!とか言われたらショックで泣いてしまいそうですが(笑)私は後にも先にも、これが1番イケてるデートです。
こういう見栄を張ったデート、したいなぁ…
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今の彼氏を見るとたまーに思うのです。
あまりに淡白で、1人が好きで、イベントごととか特別感とかに興味ないし、見栄も張れない、弟みたいな彼氏。表参道に行くよりラーメン二郎の三田本店に行きたがったり、クリスマスは人混みが嫌だからと、絶対に混みそうにない高田馬場でカラオケとボーリングをして、赤羽で飲んだりもしました。定番デートよりも地元のグルメ開拓やジムや図書館に楽しさを見出す彼氏。
そういうところが気が合うし好きなんだけどさ。でも、ちょっと物足りない。シゲキがほしい。ドキドキするような素敵なところにたまには連れて行ってほしい。いや、連れてってほしいなんて高度なこと言わないから、せめて私が提案したらいいよ!って乗り気でついてきてほしい。
…なーんてね。
無い物ねだりしても仕方ないし、わかってるんです。常に洒落ていてドキドキするのは「恋愛」であって、生活を共にする上では、大切なのはもっと落ち着きとか安らぎとか、そういうことだって。
だから、欲望は心に留めるだけにしておこうかな。
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そんなこんなことをあれこれ妄想してトリップしているうちに、ヘルプに行っていたお兄さんも戻ってきて、私の髪を綺麗に切ってくれました。
ちなみに髪を切って帰ってきた私を見た彼、案の定何も言ってくれませんでした。
そういうとこな!!!